概要

細菌検査室では、提出された検査材料から感染症の原因となる細菌の分離・同定を行っています。さらに、その細菌に対して有効な治療を行うために、薬剤感受性検査を実施しています。しかし、その様子は皆様にはなじみが薄いものと思われます。

細菌検査ができるまで

  • 1.まきます(分離培養、塗抹検査)
    まずは相手をよく知ることからはじめます。
    患者様の検体にどんな菌がいて、そして何か悪さをしているのか?それを知るために、分離用の培地に塗抹を行います。
    菌はそれぞれに顔つきや性格が異なっています。住み着きやすい場所も違います。
    そこで、塗抹検査で顔つきを調べ、どこからの検体なのか、検体の色やにおいなども参考にしながら、それぞれが好みのベッドを用意して、寝かせます。
  • 2.よくみます(観察)
    前日、まいておいた菌が培地の上に増えて、集落(コロニー)を形成します。
    このコロニーも菌の性格がよくでています。
    たくさんの菌がいるときには、それぞれに分かれてコロニーを形成するので、観察してどんな菌がいるのか、おおまかに予想できます。
  • 3.菌の特定をします(同定検査)
    さらに、性格を細かく調べて、菌の特定をします。
    また体のなかで悪さをしている菌であったら、薬でやっつけないといけません。
    そこで、どの薬が効くのか、ということを調べるために、薬剤感受性検査を行います
  • 4.薬剤感受性検査を行います
    培地に調べたい細菌を均一にぬり、そこに薬を浸み込ませたディスクを置きます、培養し観察します。
    その菌に効くお薬の周囲には細菌は生えません。左の写真で中央の二つのディスクの周囲は透明に抜けてます、このお薬は効くということになります。
    当院では、ご紹介した方法とあわせて、菌の発育を阻止する薬剤の最小濃度の測定を自動分析装置にて行っています。

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