院長 伊藤 大輔

川崎市立井田病院は昭和24年に開設、「森の病院」をテーマに平成21年に着手した改築工事は平成24年新棟開院(第1期工事)、27年全面開院(第2期工事)、その後の立体駐車場・保育所・外構工事(第3期、4期工事)も令和3年に全て終了いたしました。

開設時より市内で唯一の結核病棟を有し、平成18年には地域がん診療連携拠点病院に指定され、がん・総合健診センターを窓口に予防から診断、治療、緩和医療、在宅医療まで、切れ目のないがん診療を構築するなど特色ある医療活動を展開する383床の中核病院です。さらに救急外来と一体化した救急対応病棟を有し、2次救急医療に対応、手術支援ロボットなど先進医療機器の導入、内視鏡センター、化学療法センター、透析センターなど地域の皆様の多様なニーズに対応できる診療機能の充実に努めております。

また、令和元年の台風19号で中原区にも大きな被害が出るなか、高台に立地する地の利を生かした災害医療機能を発揮し、令和4年7月には神奈川県災害拠点病院に指定されました。

以前から在宅医療に先進的に取り組んできた当院は地域包括ケア病床を活用して地域医療の後方支援を積極的に取り組み、地域在宅医療の中核としての役割も果たしてきております。

一方で臨床研修指定病院として初期臨床研修医教育、認定看護師、特定看護師の育成など教育環境の充実、地域医療関係あるいは地域住民向けの各種セミナーなどの啓発活動を通じて地域の医療水準の向上にも寄与しております。

令和2年から続く新型コロナウイルス感染症は令和5年5月に5類感染症となったことでひとつの節目をむかえますが今後も厳重な警戒体制を保つ必要があります。今後は一般診療機能を回復していくことが大きな使命と考えております。今後も地域医療機関の先生方との連携をさらに密にして、地域全体で市民の皆様の健康を守って参りたいと存じます。引き続きご支援とご協力を何卒よろしくお願いいたします。

令和5年5月


川崎市立井田病院
院長 伊藤 大輔