対象となる症状(ダ・ヴィンチで行う手術)

泌尿器科・泌尿器内視鏡科の対象となる手術は、前立腺摘出術です。 ダ・ヴィンチで行う前立腺全摘除術は、全身麻酔で行います。

腹部(おへそ)のあたりから鉗子類を挿入して恥骨の裏側から前立腺をすべて摘出し、穴を縫合します。手術時間は、2時間から2時間30分程度です。

患者さんのメリット

米粒をつかむロボットアームダ・ヴィンチ手術は、鏡視下手術と同様に患者さんの体に小さな穴を開けて行う、傷口が小さい低侵襲の手術です。この術式は出血量を極端に抑え、術後の疼痛を軽減、機能温存の向上や合併症リスクの大幅な回避など、さまざまなメリットがあります。

メリット1 術中の出血量が少ない
開放手術と比較すると、極めて少ない出血量。術中に輸血が行われた例はほとんどありません。

左:開腹手術の切開口  右:ダ・ヴィンチの切開口メリット2 傷口が小さい
患者さんの皮膚を切開する傷口は、鉗子を挿入する8~12mmほどの幅で、最大で6カ所です。
(術式によって異なります。)

メリット3 術後の疼痛が少ない
小さな傷口のみで行われる手術なので、皮膚や筋肉を切開した痛みはほとんどありません。

メリット4 回復が早い
傷口が小さいため、術後の回復が早い傾向にあります。開放手術よりも1週間ほども入院期間が短縮されることもあります。

メリット5 機能の温存が向上
鉗子の操作性が格段によくなり、細密な動きによって機能が温存できる可能性が期待できます。