IDAS緩和ケア連携ツールについて
IDASとNRSを指標に、患者のQOL経過を評価できるツールです。緩和ケアチームの回診、地域連携、患者の自己記録用に活用できます。Excel2003以降で動作します。
検査データ、コメント記入欄もあるので、簡易カルテとしても、利用できます。 患者のパソコン、主治医のパソコン、往診医のパソコンに導入して、地域連携ツールとして活用できます。クラウド上において、関係者が共有するなどの利用方法もできます。
電子カルテシステムHope-GX上のエクセルチャート機能でも動きます。井田病院の電子カルテ上で緩和ケアチームや緩和ケア病棟で利用しています。 今回、在宅ケア、地域連携、患者自身の記録などに利用できるように、公開することとしました。
利用方法
IDAS(Integrated Distress-Activities score)システム
- excel2003以降上で動きます。
- 回診記録反映のヘージに、必要事項を記入していきます。
- 日付を月日に記入すると、以下自動的に、変更されます。
- NRSとIDASのデータは、数字選択で入力します。
- IDASの評価基準は、IDAScoreの表に記載されています。
- NRSは、患者の自己評価、IDASは、医療者・介護者からみた客観評価です。IDASの痛みのスケールは、NRS相当ですが、病状が不良やNRSが取れなくても、医療者の評価で3段階で記録します。
- NRSとIDASのデータは、毎日入力するようになっています。
- データを入力すると、自動的に、IDASスコアが算出され、IDAScoreの表をクリックすると、NRSとIDASの経過がグラフ化されます。
- IDAScoreの表には、IDAS病型が算出されます。
- 病棟では、毎日、外来では、外来時は医師が、記入し、その他の日は、患者や家族、ヘルパー、看護師だれでも記入できます。
- 症状コントロールの欄は、テキストとして、医師、看護師、患者が自由に記録できます。
- 回診記録の欄は、状況にあわせて、自由に変更できます。
- 転帰の欄も、現場の必要に応じて、自由に変更できます。
- エクセルの表として、プリントアウトできます。
- 印刷して、患者に手渡したり、地域連携ツールとして、連携手帳にファイリングもできます。
- 患者のパソコンに導入して、自己記入や家族介護者に記入して利用も出来ます。電子カルテシステムHope-GXのエクセルチャートとして、利用できます。
IDASについて
- 井田病院で開発し、利用している緩和ケアのQOL評価法です。
- 10項目の簡易な客観評価を病棟では、医療者が行います。
- 井田病院緩和ケア病棟と緩和ケアチームでは、日勤の看護師が、日勤最後にその日のQOL評価を行います。
- IDASにより、QOLの経過が明確に評価できます。
- 疼痛緩和により、QOLの回復していく様子が、目に見えて、理解できます。
- QOLの良い時期に、退院や外出などの、良い時間を使う目安となります。
- IDASで経過を見ていると、予後も予測できます。IDASが低下してくると、予後が悪いと予測できます
参考文献
- 石黒浩史, 宮森正, 松田豊子, 天杉裕望, 金子早苗, 岡島重考.
病状・日常生活統合スコア(IDA score)を用いた終末期がん患者における症状緩和の予後因子の検討. 死の臨床. 1997; 20(1): 59-63. - Yukari Hattori. Hiroshi Ishiguro & Tadashi Miyamori :Integrated assessment tool for daily activity and symptoms: A useful method to assess terminal cancer patients.
Progress in Palliative Care.Volume 26, 2018 - Issue 3
Pages 129-139 | Published online: 15 May 2018https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/09699260.2018.1464779
- 宮森正,服部ゆかり,石黒浩史:持続的深い鎮静のIntegrated Distress Activity Score(IDAS)による判断方法の試み
Palliative Care Research.2020;15(3): 245-49https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspm/15/3/15_245/_article/-char/ja