慢性腎臓病の保存期から腎代替療法まで、腎臓内科領域の全般的な診療をしている。栄養士、看護師などとのチーム医療で実践するCKD外来、透析センターの看護師が中心で行う腎代替療法選択外来など特殊外来も行っている。
腎生検は年間10~20件前後。透析センターには20床の血液透析ベッドがあり、血液透析、腹膜透析を行っている。エンドトキシン吸着、腹水濃縮再静注療法、血漿分離除去などの各種アフェレーシス治療も施行している。
高血圧加療も行っており、二次性高血圧では、原発性アルドステロン症に対する精査加療も泌尿器科と連携しながら行っている。日本腎臓学会、日本透析医学会の認定教育施設となっている。
地域がん診療拠点病院として呼吸器外科・ケアセンターとの密な連携のもと肺癌診療を、また川崎市内唯一の結核病棟を有する病院として、肺結核症・肺非結核性抗酸菌症・肺真菌症などの呼吸器感染症に対する診療等特徴ある研修が可能である。呼吸器外科と合同で気管支鏡検査を、放射線科の協力を得てCTガイド下生検等の検査を行っている。
リウマチ指導医1名、リウマチ専門医2名が在籍し、関節リウマチのみならず、全身性エリテマトーデス、全身性強皮症、多発性筋炎・皮膚筋炎、血管炎症候群、シェーグレン症候群、ベーチェット病、サルコイドーシスなどの膠原病およびその類縁疾患(リウマチ性疾患)の患者さんを診療している。
近年、関節リウマチ治療は劇的に変わった。当科でもメソトレキサートや生物学的製剤などによる積極的な治療を導入して関節破壊・変形を極力抑制し日常生活動作の制限が極力起きないような診療に努めている。残念ながら関節変形による痛み、日常生活の不自由さがある患者さんについては、整形外科での関節形成術・人工関節置換術が必要になる。
「リウマチ性疾患患者さんの笑顔のために」をモットーにきめ細やかな診療を行っているが、その一環としてリウマチ内科医の外来診療ブースを整形外科医のすぐ近傍に配置して、整形外科医との密接な連携を図っている。また、HIV診療拠点病院として、HIV患者の診療も行っている。
糖尿病内科では、糖尿病と診断されたばかりの患者さんに対する教育指導からすでに合併症が進行した患者さんまで、あるいは糖尿病昏睡などの救急、さまざまな理由で治療困難な症例など、巾広くどんな病態の患者様にも対応しており、症例は非常に豊富である。このような診療は、周辺の診療所、特に糖尿病専門の診療所との緊密な連携により可能となっている。
当院は日本糖尿病学会の教育認定施設であり、糖尿病内科医師3名はいずれも糖尿病専門医で、うち2名は指導医の資格も持っている。糖尿病の診療はチームで行っており、医師の他、看護師、栄養士、薬剤師、理学療法士、臨床心理士から成っている。CDEの資格を持っている者が多く皆非常に熱心で、入院及び外来の糖尿病教育は極めて充実している。また、当院は総合病院であり、小児科、産科以外のほぼすべての科が揃っているので、多様な糖尿病合併症に対応できる。
火曜日に心臓カテーテル検査・PCIも施行している。当院の心臓外科と共同で、ペースメーカー移植も施行している。日勤帯は緊急PCIも対応しており、循環器疾患全般を経験できる。
肝疾患を中心に消化器内科疾患全般を担当している。当院の消化器センターの内科部門に位置づけられている。地域がん診療拠点病院の肝癌診療を消化器外科とともに担当している。対象疾患は、肝癌、肝硬変、慢性肝炎を主体とし胆道系疾患、膵疾患、炎症性腸疾患など多岐にわたっている。
習得できる検査手技は腹部超音波、腹部内視鏡検査、消化管造影検査、肝生検などである。また肝癌に対する治療では局所療法(RFA、PEIT)、放射線科の協力を得て肝動脈塞栓療法などを行っている。消化管疾患、胆道系疾患などは消化器外科と連携を図って診療にあたっている。
当科の特徴としては地域の病院の肝臓・消化器内科として検診から治療さらにはケアセンターの協力のもとに緩和ケアに至るまで地域の患者に幅広い対応ができる医療をめざしている。
緩和ケア、在宅ケア、医療依存度の高い高齢者ケア、地域連携をキーワードとして、23床の緩和ケア病棟における研修と、在宅緩和ケアや高齢者、難病の在宅ケアを経験し、一般病棟の緩和ケアチームも経験することができる。受け持ち患者さんは、一般病棟入院受け持ちから、在宅への移行支援と実際の在宅ケアを行い、病状悪化時には、再度入院や緩和ケア病棟での受け持ちをし、地域の中で継続的に責任を持って診療する研修を行うことが出来る。
一般診療から緩和ケア、在宅ケアまで、プライマリ・ケアから終末期ケアまで、病と人、家庭と地域に関して深い臨床経験を得ることができる。プライマリ・ケア、緩和ケア、在宅ケア、高齢者ケア、家族ケア、内科系全般の診療能力を磨きたい、との志を持った若い諸君の集結を心待ちにしている。